国語について 〜灘中国語受験を視野に入れて:塾は特訓講座のみを飛び級で〜 

 読解についてはとにかく“読み方”をマスターすることが肝要です。灘中の問題は語句面は別として、難易度としては大学受験標準問題と 同レベルといって過言ではありませんので、大学受験用や高校受験用で良い問題集がありますので、一定レベル以上の方はそちらを活用することをお勧めしたい と思います。 
 なお、国語の問題解答力は、「読解力(論理) 」と「知識力(背景知識) 」で構成されると思いますので、“読み方”をマスターすることによる読解力向上だけでなく、頻出テーマに対する背景知識を身につけておく必要があると思い ます。
 また、灘中においては韻文(詩・短歌・俳句)が出ますが、これがなかなか取り組みにくいと思います。俳句についてはある程度の暗記により対応可能です が、詩については 一定程度慣れが必要だと思います。まずは読み方を参考書等で理解し、その後、可能な限り演習していくことをお勧めします。ただ、ある程度の得点力が確保で きたら諦めることもひとつだと思います。

灘中国語お勧めの参考書・問題集 〜灘中合格のために:先取り学習〜

 お勧めの参考書のうち、主なものを以下にご紹介します。その他の参考書・問題集についても追々更新していきたいと思います。
 また望ましい使用時期(小学低学年ですることが望ましい、など)についても言及していますが、ご子息のレベル・時期に応じて柔軟に対応していただければ 幸いで す。
 現在、小6等であったとしてもレベルに見合うものから順序良く使用すれば十分に灘中入試に間に合うと思います。塾通学だとみんな同じことをしているので 逆転は難しいですが、自分のレベル・進度に合わせて逆転を試みれるのが独学の良さかと考えています。諦めずに頑張ってください。 
 なお、参考に、概ね★:基礎、★★:標準、★★★:入試標準、★★★★:入試応用、★★★★★:灘中対策、でレベル判定を行っています。
 ご質問等がある場合は、こちらか らお願いします。ただ、ボランティアのため、返答が数日後になってしまう可能性があることをご了承の程、お願いします。

塾で教える国語[論理的文章の読解][文学的文章の読解 (★★★★)

 国語の読解方法が分かる良書です。レベルはやや高めですが、解説が詳しく取り組みやすいと 思います。[論理的文章の読解][文学的文章の読解]の2冊がありますが、両方とも取り組むことをお勧めします。なお、実戦問題集も出版されていますが、 『最強の現代文』等に取り組んだ方が良いと思います。
 使い方としては、問題文を読解し、正解した設問を含めて、どう文章を読むかについてじっくり理解しながら読み進めることをお勧めします。小5までに取り 組むこと が理想です。

最高水準ノート小学国語[文章読解] (★★★)

 穴埋めしながら難関中学の問題を読解する方法が分かり、非常に良書です。『最高水準問題 集』より問題の難易度は低いですが、掲載されている文章は決して優しくはありません。難関中学の問題をどう紐解いていくかが分かる問題集です。非常にお勧 めです。
 使い方としては、ノートを埋めながらじっくり理解し取り組んでください。初めは1題を解くのに非常に時間がかかるかもしれませんが、じっくり取り組むこ とにより格段に実力が向上すると思いますので、根気良く取り組んでください。問題数は比較的少ないですので、慣れれば比較的早く進むと思います。

啓明舎が紡ぐ 小学国語 読解の基礎 (★)

 親しみやすい文章で解説も詳しく、基礎力を養成するに当たって非常に良い問題集です。『最 レベ問題集』が終わったくらいに取り組むと丁度良いと思います。
 使い方としては、書き込み式になっていますので、順に解き進めていってください。小学低学年のなるべく早い時期に取り組んでください。

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啓明舎が紡ぐ 小学国語 読解の応用 (★★)

 『読解の基礎』と同様、親しみやすい文章で良書です。力のつく問題集です。シリーズ(基 礎、応用、完成)の中で最も良い問題週かもしれません。灘中入試に向けての読解の基礎を構築する上で最適な問題集だと思います。
 使い方としては、『読解の基礎』と同様、書き込みながら進めていってください。

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啓明舎が紡ぐ 小学国語 読解の完成 (★★★)

 シリーズの完成版です。決してメジャーな書籍ではないかと思いますが、隠れた良書で、基礎 から完成まで解ききることにより、相当の力が付くものと思います。
 使い方としては、基礎、応用と同様に解き進めてください。

必ず出てくる国語のテーマ (★★★★)

 小学生にとっては難解な難関中学の文章をスムーズに理解するためには一定の背景知識が不可 欠です。中学入試において頻出とされる「友人と友情」「父母子」「自然・環境」「考え方・思考」「動植物」「言語・コミュニケーション」「文芸論」「祖父 母・おじおば」「文化・習慣」「兄弟・姉妹」「文明・進歩」「先生・生徒」の12テーマについて掲載されており、頻出テーマの背景知識等を獲得することが できます。非常にお勧めです。これをマスターすることで読解スピードが格段に上がると思います。
 使い方としては、好きなテーマから取り組んでも良いし、前から順に取り組んでいただいても結構かと思いますが、必ず全てのテーマに取り組むことをお勧め します。また、演習量の確保のため、学校ごとのテーマ一覧が掲載されていますので、桜蔭中等の過去問を購入し、テーマごとに集中的に演習することをお勧め します。特に「文芸論」等は演習を積んでおいた方が良いと思います。上記の演習を含め、小5くらいでじっくり取り組むことが理想です。
 なお、より背景知識をつけたい方は、大学受験用のものとなりますが、『ことばはちからダ!現代文キーワード』に取り組まれることをお勧めします。これに ついては読み物とし て読んでおくだけで良いと思います。

国語最レベ問題集 (★)

 灘中を目指す小学低学年のひとは全員が取り組んでいるのではと思えるほど、使用率が高い問 題集です。学年別問題集の中では良書で、小学低学年であればまずこの本から取り組んでください。
 使い方としては、小1から小3までありますので、順に取り組んでください。この本が難しいと考えられる場合は、学年別の参考書等を部分的に活用していく ことをお勧めします。なるべく早い時期に小3までを仕上げてください。

船口の最強の現代文 1入門編 (★★★)

 国語の文章読解力は正しい読み方を理解しているかどうかで学力の向上度は大きく違ってきま すが、この問題集は解説がとても丁寧で、浜学園や希学園等の塾に行くよりもよっぽど文章読解力がつきます。息子のときの経験で、中学受験の塾では大して読 み方について教えてくれませんでしたので。大学受験用の問題集ですが、灘中を初めとした最難関中学を目指すのであれば是非とも取り組んでいただきたいと思 います。
 使い方としては、問題数は非常に少ないですので、解説をじっくりと理解することに集中してください。可能であれば2回解くことをお勧めします。

船口の最強の現代文 2入試基礎編 (★★★★)

 「1入門編」の続編です。入門編が理解できているならば十分取り組めると思います。「入試 基礎」となっていますが大学受験用の問題集ですのでそれなりの歯応えはあります。灘中を目指すのであればこれくらいの抽象度の問題には慣れておきたいとこ ろです。
 使い方としては入門編と同様、解説の理解に重点をおいていただきたいと思います。ただ、語句的には多少厳しいかもしれませんので、場合によっては国語辞 典を引きながら問題を解いても良いと思います(灘中入試では難しい語句については語句注がついていますのでそれの代わりと思ってください)。

船口の最強の現代文 3入試実戦編 (★★★★★)

 ここまでする必要はないかもしれませんが、シリーズが気に入った場合は是非ともチャレンジ してみてください。息子もここまで取り組みました。
 使い方としては、最悪、問題が思うように解けなかったとしても解説を熟読してください。抽象度の高い問題をどう解きほぐすかのコツが掴めると思います。 こうした経験が後々役立ってくると思います。灘中国語2日目を考えた場合、ここまでやる価値はあると思います。

現代文読解力の開発講座 (★★★★★)

 大学受験用問題集ですが、解説も詳しく、灘中国語1日目対策に適した問題集と思います。要 約が載っていますので要約の練習にも使えます。
  使い方としては、まずは普通に問題を解いてください。その後、解説を読む前に要約してみてください。初めはうまく要約できないかもしれませんが、そのうち コツが掴めてくると思います。できれば誰かに添削してもらうことがベストです。最後に解説を熟読し、理解に努めてください。後半はかなり歯応えがあります が、頑張って取り組んでください。

くわしい国語〈文章読解〉 (★★★)

 高校受験用参考書ですが、平易に書かれた良書です。灘中入試において必須である詩、俳句の 学習に適した本だと思います。灘中合格に向けての読解の基礎はこの本で十分養成できると思います。
  使い方としては、韻文(詩・短歌・俳句)のところを中心に取り組んでください。また、演習量を確保するため、『ステップアップ問題集』にも取り組むことを お勧めします。
 また、随筆があることも灘中国語の特徴かと思いますので、随筆の基礎的事項を習得したい場合には本書の随筆のところにも取り組んでください。

理解しやすい現代文・表現 (★★★★)

 大学受験用参考書ですが、読みやすく良書だと思います。灘中入試において必須である韻文(詩・短歌・俳句)の読解方法が良く分かる参考書です。非常にお勧めです。
  使い方としては、韻文(詩、短歌、俳句)のところのみ取り組んでください。『理解しやすい現代文・表現』で読み方をマスターした後は、なるべく多くの韻文 に取り組み、演習量を増やしていくこととなりますが、韻文は労力対効果に限界がありますので、ある程度のところで諦めることも必要だと思います。

秘伝 中学入試国語読解法 (★★★★)

 石原千秋先生のこの本はまさに目からウロコです。一般の“読み方”本とは一線を画してお り、非常にお勧めです。ただ、国語の苦手な人向けのものでは決してなく、更なる飛躍を狙う難関中志望者にお勧めです。灘中受験生には是非とも読んでもらい たい1冊です。
  使い方としては、本書の唯一の欠点なのですが、読みにくい点で、小学生向きではありません。問題部分を予めコピーして取り組むことをお勧めします。

中学入試国語のルール (★★★)

 石原千秋先生の『秘伝 中学入試国語読解法』のレベルを落としたものと理解していただければ幸いですが、内容的には今一歩というところでしょうか。ただ、『秘伝 中学入試国語読解法』が難しいという人にとっての導入本としては最高だと思います。
  使い方としては、『秘伝 中学入試国語読解法』が理解できる方は必要ありませんが、同書と同様に、問題部分を予めコピーして取り組んでください。

雙葉中学校 9年間入試と研究 (★★★★)

 雙葉中の国語は灘中の国語と傾向が似ているため、特に灘中国語1日目対策として有効だと思 います。息子においてもかなり役にたちましたので、是非ともお勧めです。
  使い方としては、灘中を目指すのであれば制限時間より早く解く必要があります。小5で取り組めれば理想ですが、少なくとも小6の早い時期に取り組むことを お勧めします。

湘南学園中学校 5年間入試と研究 (★★★)

 雙葉中ほどではありませんが、灘中の国語と傾向が似ているため、これも灘中国語対策として 有効と思います。特に灘中の傾向に慣れたい小4生や国語がやや苦手な方にお勧めです。
  使い方としては、時間を計って試験さながらに解くこととなりますが、これも短めの制限時間設定で取り組むべきだと思います。

桜蔭中学校 10年間入試と研究 (★★★★)

 文芸論の読解など、灘中対策に当たって有効な読解問題もあり、問題集としての活用をお勧め します。女子中の国語の問題には良い問題が多いです(算数は簡単すぎますが)ので、有効に活用すべきと思います。
  使い方としては、『必ず出てくる国語のテーマ』と併用し、読解問題で灘中っぽい問題を選んで解いていくことをお勧めします。


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