算数について 〜灘中算数受験を視野に入れて:塾は特訓講座のみを飛び級で〜
灘中入試において最も差がつきやすいのが算数と言われており、算数が苦手だと致命傷になりかねないため、なるべく先取り学習をしてお
くことをお勧めします(先取り学習の必要性はトップページ参照)。灘中を目指すのであれば、小4までに小学校の全範囲を終え、入試標準問題集・参考書
(『応用自在』など)をひととおり終わらせておくことをお勧めします。
また、数学的な思考能力を高めるためには類題演習が有効と考えていますので、特に実力練成期においては、類題が載っている参考書・問題集を活用すること
をお勧めします。
灘中の算数1日目においては相当の処理能力が求められますので、日頃の演習量がものを言うと思います。如何に灘中算数1日目っぽい問題に慣れるかが鍵だ
と思います。
灘中算数お勧めの参考書・問題集 〜灘中合格のために:先取り学習〜
お勧めの参考書のうち、主なものを以下にご紹介します。その他の参考書・問題集についても追々更新していきたいと思います。
また望ましい使用時期(小4ですることが望ましい、など)についても言及していますが、ご子息のレベル・時期に応じて柔軟に対応していただければ幸いで
す。
現在、小6等であったとしてもレベルに見合うものから順序良く使用すれば十分に灘中入試に間に合うと思います。塾通学だとみんな同じことをしているので
逆転は難しいですが、自分のレベル・進度に合わせて逆転を試みれるのが独学の良さかと考えています。諦めずに頑張ってください。
塾通学については特訓講座のみで良く、下記の参考書・問題集を活用して実力練成してください。
なお、参考に、概ね★:基礎、★★:標準、★★★:入試標準、★★★★:入試応用、★★★★★:灘中対策、でレベル判定を行っています。
ご質問等がある場合は、こちらからお願いします。ただ、ボランティアのため、返答が数日後になってしまう可能性があることをご了承の程、お願いします。
算数合格へのチャレンジ演習 (★★★★★)
灘中受験生ならば是非とも取り組んでいただきたい問題集です。月刊『中学への算数』の「発 展演習」をまとめたもので、灘中の算数2日目対策として最適です。思考力が必要な問題への対応力が向上すると思います。東大寺や開成などで高得点を取りた い人にもお勧めです。
使い方としては、初めから解いても、灘中に頻出のところから取り組んでも良いと思います。 息子には灘中模試で芳しくなかった分野・テーマから取り組ませたり、灘中算数2日目さながらに、5問抽出して解かせたりしていました。これをマスターする ことで、算数2日目の安定度が高まりました。是非とも取り組んでみてください。
最上級問題集 小学算数 (応用自在シリーズ) (★★★★)
浜学園の小6最高レベル特訓や希学園の小6最高レベル演習においても使用されている問題集
で、入試
の標準的な問題から応用問題まで含まれており、東大寺や開成などであればこの問題集をマスターすれば十分対応可能なのではないかと思います。
問題の量・質ともに適切なのですが、解説が少ないため、浜学園や希学園の解説テキストを入手できればそちらを活用することをお勧めします。
使い方としては、1回目は最上級問題を飛ばして解き、2回目のときに最上級問題も含めて解
くことをお勧めします。灘中を目指すのであれば小5で少なくとも1回解いておくべきかと思います(可能な限り小5でマスターを目指してください)。なお、
大阪星光、麻布、武蔵等を目指すのであれば最上級問題は解かなくて良いと思います。
塾で教える算数[数・数量関係][文章題][量と測定・図形] (★★★★)
良問が多く、また、解説も詳しいので非常に良い問題集だと思います。3冊合計するとそれな
りの問題量となりますが、 基礎的なものから難問まであり、『応用自在』等をこなしているひとであれば十分活用可能と思います。特に[文章題]の分冊が良
いです。『最上級問題集』と比べると演習量は少なくなりますが、『最上級問題集』の解説の少なさが気になる方はこちらを活用しても良いかもしれません。
使い方としては、東大寺や開成などを目指すのであればこの本をマスターすれば十分対応可能
かと思います(演習量が少なく感じる場合はプラスアルファが必要)ので、全部の問題を解くのもひとつなのですが、灘中を目指すのであれば全部解かず、選ん
で解くのもひとつです。息子には私が選んだ灘中の類題のみを解かせていました。また、灘中模試で芳しくなかった分野・テーマを集中的に解いたりしていまし
た。
難関8校の算数10年 (★★★★)
いわゆる最難関中といわれる学校の問題を単元別に集めたもので、取り立てて良い問題集とい
う訳ではありませんが、使い方としては、苦手分野・テーマの演習量不足を補う際に活用することをお勧めします。
息子は灘中算数1日目対策として、算数1日目っぽい問題を13題程度選んでテストとしても活用していました。灘中を目指すのであれば小5で取り組みたい
ところです。
文章題解き方の特訓 (応用自在シリーズ) (★★★)
非常に良い問題集です。浜学園や希学園の公開テストレベルの文章題であればこれをマスター
すれば十分に解けるようになると思います。
使い方としては、全部解くというよりは問題を選んで解いたり、苦手分野・テーマだけ解くなどの対応になるかと思います。
息子は小4のときに、浜学園の「灘中合格特訓」で「速さ」など、毎回のテーマが発表されま すのでそれに合わせてほとんどの問題を解いていました。「灘中合格特訓」の講義内容と比べて丁度良いレベルであったと記憶しています。非常に良書ですの で、是非とも取り組んでみてください。
計算問題の特訓 (応用自在シリーズ) (★★★)
浜学園の小6最高レベル特訓で使用されていた問題集ですが、計算問題集として良書であると
思います。計算問題対策としてこれだけでは計算量が足りず、他の問題集も併用する必要がありますが、小3、小4など、なるべく早い時期に取り組むことをお
勧めします。
わかる!できる!応用自在 (★★★)
類題演習がしやすく、また、解説も詳しいので、非常に良い参考書です。問題に例題参照先が 示されていますので解法を体系的にマスターすることができます。『力の5000題』と比べて非常に見やすく、使いやすいと思います。浜学園や希学園の公開 テスト対策としても非常に良い参考書だと思います。
使い方としては、全ての問題を解くこととなりますが、初見で解けなかったとしても解法を
ノートに写すなどして、全問の解法を暗記するつもりで取り組んでください。なお、この参考書を初学の状態で使用するこ
とは難しいですので、まずは初歩的な学年別の参考書を終えてから使用することをお勧めします。灘中合格を目指すのであれば、小4までにマスターすることを
お勧めします。
力の5000題 (★★★)
私の受験時代においてはバイブル的な位置づけで、これをマスターしておけば洛南、洛星等で
あれば合格できるとされていましたが、使いやすさとしては『応用自在』の方が良いかと思います。
あと、類書として『自由自在』がありますが、『応用自在』『力の5000題』『自由自在』のうち、いずれかひとつを仕上げれば結構かと思います。
使い方としては、『応用自在』と同様で、初学の際には適していません。息子は初めはこちらを使用していましたが、『応用自在』の方が良いと判明したた
め、不得意分野・テーマにおける『応用自在』での演習不足を補うために使用していました。
受験全解 (★★★)
日能研が出している参考書ですが、『応用自在』等と比べて難問も含まれており、レベルは高
いです。ただ、内容は良く、お勧めです。息子も小6でも使用していました。
使用方法としては全部を解くものではなく、演習不足を補うための問題集として活用すべきものと思います。
算数プラスワン問題集 (★★★)
過去において、希学園の小6夏期講習のテキストとして使用されていたものですが、手っ取り
早く全範囲を網羅したい方に非常にお勧めです。これだけでは明らかに演習が不足しますが、マスターすれば大阪星光等に何とか対応できるかと思います。良問
が厳選されており、東京出版らしく解法も美しいといえます。 使い方としては、灘中志望者にとっては、『応用自在』等が終わった際の確認に使用すること
が適当かと考えます。少ない問題数で実力向上ができる労力対効果の高い問題集だと思います。短期間で解ききることをお勧めします。
ニューコース (★)
学年別の算数の参考書の中では読みやすく、最も良いのではないかと思います。頭の良い子に
とっては解説が冗長すぎると感じるかもしれませんが、解説は丁寧ですので、教科書的に使うにしては良いと思います。
使い方としては、なるべく早い時期(灘中を志望するのであればできれば小4前半までに)に小6までをこの参考書で理解してください。この段階では確実に
解けるというよりも、まずは解法を理解するという姿勢で取り組むことが挫折しないコツかと思います。
なお、小1から小3の範囲については、こちらは副読本的に扱い、『最レベ算数問題集』を中心に取り組むことをお勧めします。
標準問題集 (★★)
学年別の問題集としては、『最高水準問題集』とともに、非常に良書だと思います(小3まで
は『最レベ算数問題集』が最もお勧めです)。算数に自
信のあるひとは『最高水準問題集』の方が良いかもしれません。一般的にはこちらの方が使いやすいと思います。
使い方としては、全部解くことが理想ですが、『ニューコース』を使用していて演習不足と思うところを重点的に解く方が妥当と思います。『応用自在』に取
り組んでいて少し難しいように感じるならばこの問題集に取り組んでください。
高校への数学増刊 図形のエッセンス (★★★★★)
高校受験用の問題集ですが、非常に分かりやすい良書だと思います。算数がある程度得意でな
いと取り組みにくいかもしれません。ただ、要領よくまとまっていますので、演習効果は高いと思います。
使い方としては、三平方の定理に習熟していた方が図形問題において有利となりますので、三平方の定理の部分のみに取り組めば良いと思います。息子は三平
方の定理だけでなく、私が選んだ灘中入試に出そうな問題を解いていました。
高校への数学 解法のスーパーテクニック (★★★★★)
高校受験用の問題集ですが、非常に分かりやすい良書だと思います。算数がある程度得意でな
いと取り組みにくいかもしれません。「スーパーテクニック」という名称ですが、小手先のテクニックを教えるものではなく、本質を理解できるものであると思
います。灘中を目指される方にとっては効果がありますが、開成を初めとしたその他の最難関中学志望の方は特に要らないかもしれません。
使い方としては、すべての問題を解くような問題集ではありませんので、灘中に出そうなものを選んで解いていくことをお勧めします。息子においても、私が
選んだ問題を解いていました。
最レベ算数問題集 (★)
灘中志望の小学低学年は全員が取り組んでいるのではと思えるほど、使用率が高い問題集で
す。学年別問題集の中では最も
良書ですが、小1から小3までしかありません。小学低学年であればまずこの本から取り組んでください。この問題集には国語もあり、国語も良いのですが、算
数の方が良い問題集であると感じました。
使い方としては、小1から小3まで順に取り組んでください。この本が難しいと考えられる場合は、学
年別のニューコースなどの参考書を部分的に活用していくことをお勧めします。なお、「最レベ」のひとつランク下の「ハイレベ」や『標準問題集』に一旦落と
して、「ハイレベ」や『標準問題集』が終わった後に取り組むのもひとつです。なるべく早い時期に小3までを仕上げてください。
月刊 中学への算数 (★★★〜★★★★★)
いわずと知れた東京出版の月刊誌です。問題を選んで解答できたりもしますので、複数年分を
保有しておくことをお勧めし
ます。息子も小3のときから購入していましたので、4年分所有していました。色々と活用できましたので重宝しました。灘中を目指すならば是非とも取り組み
たいところですが、算数を得点源にしようと考えていないのであれば、敢えて購入しなくても良いかもしれません。
使い方としては、小3〜小4であれば、レベルアップ演習を中心に、日日の演習に取り組むことがベストかと思います。灘中志望の小6であれば、『合格への
チャレンジ演習』をやった後に発展演習を中心に取り組むことがベストかと思います。なお、学力コンテスト等については余程、算数が好きでない限り毎月取り
組む必要はないと思います。息子には平均点が比較的高いものの中から灘中っぽい問題を選んで解かせていました。平均点の高いものだけでも4年分すると、相
当力がつきました。ただ、誤解していただきたくない点として、学力コンテストに取り組む際には発展演習レベルをマスターしてから取り組んでください。灘中
を目指すなら学力コンテストに取り組んで当然みたいな風潮が一部にありますが、算数が得意でないと時間の無駄ですので。
筑波大学附属駒場中学校 10年間入試と研究 (★★★★)
筑波大学附属駒場中学校の算数は灘中算数と比べて異質といえますが、一部、灘中算数1日目
に活用できる問題がありますので、問題を選んで解けば有効に活用できますので、是非とも取り組んでみてください。
使い方としては、灘中算数1日目っぽい問題のみを選んで解いていくことをお勧めします。
開成中学校 9年間入試と研究 (★★★★★)
灘中算数と比べると全般的に簡単といえますが、灘中算数2日目対策として早めの時期に活用
するのであれば非常に有効だと思います。お勧めです。
使い方としては、難しいもののみを選び、テスト形式で解いていくことをお勧めします。息子も小6の夏に開成中の難しい問題のみを選択してテスト演習しまし
たが、灘中算数2日目対策として有効でした。ただ、灘中志望で、ある程度算数で点数を取ろうと考えている方で、小6の夏に使うのであれば、難しい問題のみ
を選んだとしても7割程度の正答率を獲得すべきと思います。